2016 年、最初の山歩きの舞台は奥日光。
庵滝という、見事な氷瀑が見られる場所があるという情報をどこかで手に入れたので、訪れてみることにした。
夏や秋には登山者や観光客で賑わう奥日光エリアも、雪に閉ざされた冬の日はとても静かな空気に包まれている。
どこかのピークを目指すハードな雪山登山ではなく、雪上ハイクのようなゆるい感じで今年の山初めとなった。
奥日光行きのバスの車窓から見る神橋。
前日の雪で、神秘的な雰囲気。
バスで奥日光エリアまで来たあとは、しばらく舗装路を歩いて弓張峠を目指す。
弓張峠から車道を逸れて、外山沢に沿って庵滝を目指して樹林帯に入っていく。
すでにけっこうな人が入っているようで、トレースばっちり。
誰の足も踏み入れられていない、ふわふわな新雪の間を流れる小川。
信じられないほど透き通っている。
しばらく緩やかな上り坂を歩いていくと、庵滝が現れた。
青く透き通ったいくつもの氷柱が地面に向かって鋭く伸びている。
氷瀑を初めて見たが、これは美しい。
庵滝の面白いところは、こうして裏側に入り込むことができる。
しかし氷瀑とあって、付近の地面を覆っているのは雪ではなく完全なる氷。
傾斜のあるスケートリンクのようなものなので、アイゼンを履かなければとても歩き回れない。
近くで見ると、その氷柱の長さや太さに応じて、色が異なっている。
地面まで伸びているものは鮮やかな水色をしていた。
表側のメインの氷瀑以外にも、内側の岩の間からも細い氷柱が無数に伸びている。
下から見上げる構図も。
いまにも自分に向かって落ちてきそうな迫力がある。
庵滝を存分に楽しんだあとは、来た道を歩いて戻りつつ、奥日光の風景を楽しんで帰る。
小田代ヶ原・戦場ヶ原は、一面を新雪が覆っていた。
竜頭の滝を上から眺める。
秋の紅葉シーズンには観光客でごった返すこの場所も、今日は自分以外の人影はなく、静か。
湯川は水量が多いためか、気温が低くても竜頭の滝は凍らず水が流れている。
こうして年明け最初の山歩きは、庵滝の氷瀑鑑賞に始まる奥日光ハイキングを楽しんだ。
どこかの山の頂上を目指すといったものではないが、こんな山の楽しみ方もあるよなと、人もまばらな静かな奥日光の地で、気づきを得られたのであった。