北岳登山の大拠点、広河原から。
ふもとは秋、稜線は冬だ。

なんてことないように見える木道も、表面に薄く氷が張っており油断すると簡単に転んでしまう。

上部はすっかり雪に覆われている。間ノ岳が見えた。
南アルプスは春に聖岳に撤退して以来だが、山がとにかく大きいと感じる。

北岳頂上から富士山が見えた。まだ冠雪はうっすらだ。

甲斐駒ヶ岳が近い。どこから見てもそれとわかる特徴的な山容だ。

もちろん仙丈ヶ岳も見える。甲斐駒ヶ岳と比較してたおやかな山容だ。その様子から、南アルプスの女王ともいわれる。

そして、南アルプス主脈の稜線へと通じる間ノ岳方面。鞍部に見える北岳山荘が本日の宿。

夕日に染まる北岳。

太陽が眠ったあと、夜空の主役は月へと渡る。

地平線には中央アルプスのシルエットが浮かび上がる。
この年の春、同じように中央アルプスの空木岳から南アルプスのパノラマを楽しんだので感慨深い。

二日目の朝も素晴らしい天気から始まる。ピリッと冷える朝だ。

一晩お世話になった北岳山荘を後にして、来た道を戻っていく。
間ノ岳のモルゲンロートが美しい。

日が高く昇っていくと、朝焼けの山とはまた印象が変わる。

下部は紅葉が美しい。
秋から冬へ、そして再び秋へと戻ってくる登山だった。
季節の境目の登山はお得感があって面白い。