聖岳
1 年前の同じ時期に、聖岳に挑んで敗退した。
登山道の崩落というやむを得ない理由だったとはいえ、仮にあのまま問題なく通過できたとしても、聖岳に登頂するのは体力的にも、精神的にも厳しかったかもしれない。
この一年間で、それなりに登山やテント泊の経験を積んだので、再挑戦した。
ただし、当時の大きな敗因はこの季節に利用者が少ない聖沢登山道を選んだことだったとも思っており、今回は登山者が比較的多いウソッコ沢沿い〜茶臼岳の登山道からアプローチすることにした。
そして、今回こそは大きな問題に遭遇することなく、無事に 1 年ぶりの雪辱を果たした。

前回は素通りした畑薙大吊橋を渡る。渡っている間、軽い高所恐怖症の自分にとっては試練の 3 分間だった。

ウソッコ沢小屋。通年無人。
小さな吊橋を渡って沢の右岸左岸を行き来しながら標高を上げる。

横窪沢小屋を越えたあたりから少しずつ雪が出てきて、茶臼小屋に着く頃にはしっかりとした積雪があった。
この日は茶臼小屋の冬季小屋に宿泊する。
水は出ていないので、周囲の雪を溶かして水を作った。これがなかなか時間がかかる。

上河内岳を越えて、聖岳が正面に大きく見えてきた。

終盤は雪の急斜面のトラバースなどもありシビアだったが、無事に聖岳に登頂することができた。
昨年に敗退していることもあり、登頂の喜びがひとしおに身に沁みる。

上河内岳、茶臼岳方面を振り返る。

荷物を置いている聖平小屋に戻る。
聖岳登頂という目的は果たしたが、下山が肝心だ。通常、急斜面のルートを下りるのは登るよりも難しい。

この日は朝から雲が多い天気だったが、次第に回復して、鮮やかな青空が広がっていった。

兎岳の雄姿。大きな岩壁についた複雑な模様の雪形が印象的だ。

三日目。聖平小屋の冬季小屋で一晩を過ごした。
この日は茶臼岳に寄り道しながら来た道を戻って下山する。

上河内岳。日本百名山にこそ選ばれなかったが、それでも日本二百名山に選ばれた山。
その堂々とした山容は、自分の中では百名山と言いたい。

遠くなった聖岳を振り返る。
奥には赤石岳、荒川岳と、南アルプス南部の主役の山々がずらっと並ぶ。
積雪期に登るのはなかなか厳しいが、いつか歩いてみたい。

光岳遠望。
南アルプス南部と深南部の境界とされる山。

上河内岳の真上、いい位置に巻雲が出ていた。

ラストは茶臼岳。ゆるやかで歩きやすい登山道だった。南アルプス南部の入門の山と言っていいだろう。
登山口までのアクセスを除けば...

畑薙大吊橋まで戻ってきた。長い道のりだったが、それだけ大きな達成感を得られた。
聖岳のリベンジを果たし、着実に登山のレベルを上げていけている。
これからもマイペースで登りたい山を登れるようになっていきたい。