九州に来たら、必ず登っておかなければならない山がある。そのひとつが大分県にある「くじゅう連山」だ。
九州では貴重なテント泊ができる山で、さらに山の中で温泉が入れる山として日本有数だ。
いくつもの山が東西南北に広く連なる初夏のくじゅう連山を、ミヤマキリシマの花を愛でながらのんびりと歩いてきた。
牧ノ戸峠からしばらくは、樹林帯の緩やかな登山道を登る。
くじゅう連山の景勝地のひとつ、御池。
ブルーの湖面が綺麗だった。
天狗ヶ城、中岳の小さな縦走路。
くじゅう連山はひとつひとつの山が小さく、ゆるやかなアップダウンでコンパクトな縦走を楽しめる。
中岳。名前は平凡だが、九州本土最高峰だ。
向こうに見える大きな平地は坊がつる。あそこにテントを張ることができる。
稲星山からさらに先に足を伸ばすと、白口岳。
このあたりまで来る人は少なく、静かな空気に包まれる。
一足先に満開を迎えたミヤマキリシマの株。
周りの株はまだ開花したばかりで、最盛期はあと 1 週間から 10 日ほど先になりそうだ。
最盛期はまだ先といっても、いたるところで満開の株を見ることができる。
遠くなった久住山を正面に見ながら、幕営地である坊がつるを目指して歩く。
テントを張るまでに、時間に余裕があったので法華院温泉で汗を流し、小屋の外で地元のおじさん達と乾杯する。
一期一会。素敵な時間を過ごした。
二日目の朝。目の前に三俣山が聳え立つ。
今日はここに登ってから下山する。
北千里ヶ浜。これまで歩いたくじゅう連山の緑豊かな風景とは異なる、荒涼とした場所。
まるで海外にいるようだ。
くじゅう連山はひとつの山域でいろいろな表情をもっていて面白い。
三俣山はその名が示すとおり、同じ山体でいくつかのピークを持つ山となっている。
北峰だけは通れないので、西峰、本峰、南峰と渡り歩いた。
星生山の北面は、この山域が火山であることを思い出させてくれる色合いをしている。
山の外側を巻くようにつけられた道を通って、牧ノ戸峠へ下山していく。
初めてのくじゅう連山で過ごした充実の二日間。
これからこの山域にいつでも遊びに来れると思うと、心が躍る。それくらい素敵な場所だった。