南アルプス北部の山々のうち、北岳・間ノ岳・農鳥岳の 3 座を合わせて白峰三山と呼ぶ。
さらにその南部、連なる山々を、白峰南嶺と呼び、笊ヶ岳や青薙山などを経て、山伏や八紘嶺といった安倍奥の山々と合流する。
今回は、北岳から白峰三山をたどり、そのまま白峰南嶺の笹山まで歩いてきた。
三日間とてもよく晴れて、灼熱の登山となった。
広河原から入山し、奈良田へ下りる計画。
のっけから北岳が見える。昨年の秋にここから見た同じ風景とは異なり、今回は青々としている。
鮮やかな緑。ふと上を見ると、青空を横切る飛行機雲が見えた。
北岳頂上直下のトラバース道。
危険なように見えるが、ゆっくり歩けば問題ない。すれ違うときは注意だ。
湧き上がる夏の雲。それでも、雨に降られることはなかった。
北岳山荘の横にテントを張り、荷物を軽くして北岳へ。
写真は、そこから振り返る間ノ岳。明日は、あちら側に向かって歩く。
日没間際の鳳凰三山。稜線のわずかな部分だけが白い岩肌が露出している。
地蔵ヶ岳のオベリスクも見える。
北岳山荘の赤い屋根がよく見える。日が暮れる前に戻ろう。
二日目もいい天気になりそうだ。
薄い雲海の向こうに、富士山が顔を出している。
雲一つない青空が広がる。
標高は 3000m を超えていても、太陽の日差しはジリジリ強い。
間ノ岳までくると、その先の農鳥岳の姿が見えるようになった。
手前の農鳥小屋までいったん標高を落とし、再び登る。
西農鳥岳から間ノ岳を振り返る。
これで、今回の白峰三山はコンプリート。ひとつひとつの山がとにかく大きかった。
ここから先は白峰南嶺のエリアへと入っていく。
正面に連なる穏やかな稜線だ。
これまで多かった登山者は、ここを境に一気にいなくなる。
静かな山歩きを楽しめる。
だだっ広く、登山道も曖昧な道を経て、大籠岳付近の適地で幕営。
結局この日も、霧に巻かれることはなく、太陽に焼かれる一日だった。
三日目は、正面右に見える笹山を経て奈良田に下山する。
行程は短いが、道は不明瞭で冒険感のある道のりだ。
不明瞭な道と、ちょっとした藪漕ぎを経て、笹山にたどりついた。
ここまでの白峰南嶺の道のりは、人は非常に少なく、静かで気持ちがよかった。
ここからは、「笹山ダイレクト尾根」と呼ばれる道を経て奈良田に下山した。
これがまたなかなか長い道のりだったが、無事に三日間、晴天に恵まれ、充実の山旅となった。