仙丈ヶ岳と塩見岳。一見遠く離れたこのふたつの山は、一本の尾根でつながっている。
その尾根を仙塩尾根といい、繋いで歩くことができるのだ。
3 日間かけて、この静かな尾根を歩いてきた。
北沢峠から、まずは仙丈ヶ岳を目指す。
仙流荘から北沢峠に向かうバスの行列が凄まじかった。
本州の人気の山はこうなるので厳しいが、山に入ってしまえばそこそこ静かだ。
夏の大仙丈沢カール。
今年の正月に、ここからの真っ白な景色を見たのが記憶に新しい。
富士山、北岳、間ノ岳。
日本の高峰トップ 3 が横並びに見える。
仙丈ヶ岳から見る、すぐ隣の大仙丈ヶ岳。
ここが仙塩尾根の入口だ。
多くの登山者はこの仙丈ヶ岳までで、この先は静かな山歩きを楽しめる。
初日の夜は両俣小屋でテント泊。
この日は一気に塩見岳を目指すため、3 時ごろ出発し、稜線で夜明けを迎える。
振り返ると朝日に染まる仙丈ヶ岳が見えた。
左右に畝りながら伸びる仙塩尾根と、その先に見える塩見岳。
至福の稜線歩きだ。
熊の平小屋の前で小休止。
ぽかぽかと暖かい。前後は樹林帯に囲まれた、静かなところにある小屋だ。人も少ない。
しばらく爽やかな樹林帯を進む。またここから次第に標高を上げ、森林限界の上に出る。
大きな山体の間ノ岳。
左の突き出た小ピークが、標高 2999m の三峰岳で、通ってきた道。
新蛇抜山。標高は 2667m で、日本百高山の 100 番目の山だ。
北荒川岳にて、いよいよ塩見岳が正面に見えた。
ここから急登を経て、頂上に至る。
塩見岳東峰頂上から。さらに南部には、荒川岳が見える。
塩見小屋方面に下っていく。
塩見岳頂上直下は急峻な岩場になっており、冬季は難しそうだ。
塩見小屋で小休止。バッジを購入し、カップ麺を食べて一息つく。
ここから三伏峠まで、もうひと踏ん張りだ。
うっすらと霧をまとった森を歩いて、三伏峠を目指す。
三伏峠に到着。長い一日だった。テントを張って 2 日目の夜を過ごす。
三日目。夜明け前に撤収し、鳥倉登山口を目指して歩く。
鳥倉登山口に到着。
ここから少し歩けば駐車場だが、今回はそこに車はない。
このままふもとの大鹿村まで降りて、そこからバスで飯田へ抜けるため、まだけっこうな距離を歩かねばならない。
森が美しく、退屈であるはずの林道歩きもなぜか飽きない。
バス停まで降りてきて、ようやくこの山旅は完結となった。
雄大な南アルプスを自分の歩幅でじっくりと歩くことができる仙塩尾根、最高の 3 日間だった。
ぜひまた歩きたい。