光岳・池口岳
南アルプス南部のさらに南部には、深く渋い山域が広がっている。
この地域は南アルプスの深南部と呼ばれ、物好きな登山者を惹きつける魅力がある。
一般的には、南アルプスにおける日本百名山の南端にある光岳が、南部と深南部の境界に位置するとされる。
今回は、その光岳と、深南部を代表する山のひとつ、池口岳を巡り歩いてきた。

池口岳登山口から入山。

池口岳が見えた。中腹の紅葉が美しい。

爽やかな樹林帯の尾根を進む。

日没が近くなり、幕営適地を見つけて宿泊。
深南部の山歩きは、基本的にこういったスタイルになる。

前夜、弱い雪が降った。
二日目も手元の温度計でマイナス 5 ℃まで下がっていた。
山は秋と冬の狭間を彷徨っている。

天気はすこぶる良い。空気はとても冷たい。

光石。光岳の頂上間近にある。

光岳は地味な山だが、魅力あふれる南アルプス深南部という山域を代表として、日本百名山のひとつに選ばれているのだと解釈した。

光岳から少し先、イザルヶ岳まで足を伸ばした。

イザルヶ岳の頂上は 360 度の大展望。
聖岳が目の前に大きく見える。

イザルヶ岳で折り返し、池口岳を目指す。

池口岳の直下は急坂と細尾根の繰り返しになっている。
慎重に歩けば問題ないが、樹林に覆われた山といえど油断はできない。

池口岳を越えたところにある笹の平で 2 日目の夜を過ごす。
この辺り一帯だけ樹林が少なく、笹に覆われている。
しかし、笹がある部分はテントが貼れないため、意外と適地は少ないことに注意。

三日目。今日も好天に恵まれた。
昨日歩いた池口岳を背に、犬切尾根を進む。

道なき道を辿って鶏冠山へ。

山行中、数少ないすれ違った人の一人から、犬切尾根の途中の三角点から尾根を逸れて真っ直ぐ下りるルートがあるという情報を得た。
そのルートを下りると途中でモノレールに合流するということで、モノレールを探して急斜面を下りていったが、なかなかモノレールには出会えず。
やっと出会えたところで、ふと斜面を見上げるとかなり上からモノレールが続いていた。
おそらく、だいぶ逸れたところを下ってしまっていたのだろう。

モノレールに合流してしまえば、あとは深いことは考えずにレール沿いに下っていくことで池口川に出ることができる。
あとは車道を歩いて車を置いた池口岳登山口に戻るだけだ。
しかし、ここを歩いていた自分たちを見つけた地元の方が、軽バンで池口岳登山口まで送ってくれた。
そしてなんとその車内には、獲ったばかりの鹿が横たわっていた。
最後の最後に、思いがけなく印象的な出来事に恵まれた山旅となった。