タイトルの山の名前を見てピンとくるのは九州民。
今回は、宮崎県北部、個人的に「裏大崩」と呼んでいる山域を歩いてきた。
大崩山はともかく、その裏側にあたるこの山域に訪れる人は非常に少なく、2 日間を通してほんのわずかな登山者としかすれ違わない、静かな山歩きを楽しめた。
紅葉の季節は終わりを迎え、その全ての葉が落葉している。
落ちたばかりの葉はまだ色が鮮やかで、足元を彩っていて美しい。
難所を越えれば、その先は穏やかな尾根歩きが待っている。
葉を落とした樹林帯は明るい。
中央奥に見えているのは祖母山。この山域は祖母山・傾山と直結している。
五葉岳頂上。
両側の祖母、傾に加え、奥にはくじゅう連山も見える。
鹿納山。どこを登るのかと思いながら近づいていくと、右手側を回り込むようにして登山道がつけられていた。
鹿納山のすぐ近くの鞍部、少し平らになっていたところがあったので、ここで幕営。
日が暮れると寒い。師走の足音はすぐ近くまで来ている。
月を眺めながらウィスキーを嗜み、体が温まってきたところで床に就いた。
2 日目、暗いうちから歩き始め、何度も迷いそうになりながら大崩山まで来た。
ダイナミックな岩峰群が薄明に浮かび上がる。
大崩山名物、祝子川の渡渉。
どこを通ればいいか迷って、ここでかなりの時間を消費してしまった。
誰もいない道を歩き、木山内岳へ。このルートを歩く登山者はほんのわずかだろう。
尾根に復帰すれば、あとは新百姓山を通って杉ヶ越登山口に戻る。
初日の危険な尾根は誤算だったが、そこを除けば安心して歩くことができた。
九州らしい静かな山歩きを楽しめた二日間だった。