静岡県中部を流れる安倍川。その東側に、南北に細長く連なる尾根がある。
その尾根は安倍東山稜と呼ばれ、尾根上にずっと登山道が敷かれている。
今回は、ここを南から北に向かって真っ直ぐ縦走してきた。
歩みを進めていくごとに、南アルプス深南部のような奥深い雰囲気に変わっていく様子が面白かった。
そして終着点の阿部峠で見た安倍川の水源は、これが生まれ静岡の町を流れる大河になっていくのだと想像して、感慨深い思いがあった。
すっかり日が落ちたあと、竜爪山文殊岳に登頂。
静岡市清水区の夜景を眺めながら、ここで幕営する。
二日目、よく晴れた朝、赤く浮かぶ富士山が綺麗だった。
山頂部はうっすらと冠雪している。
真富士山。ここから見る富士山はかなり綺麗。
たっぷりと雪をかぶった冬や春にもう一度来たい。
浅間原から少し西側に下ったところにある水場の目印。
このあと、水場を見つけるのに難儀したが、なんとか岩の裏から細々と流れる水にありつくことができた。
水を汲んでいる間に、富士山には雲の帯がかかっていた。
ちょっとした藪を抜けて青笹山。
その名が示すとおり、あたり一帯は熊笹に覆われている。
さらにその北部、十枚山を越えると、景色は秘境感が増してくる。
大光山で日没を迎えた。
体力的にも厳しくなってきたので、今日はこのあたりで幕営とする。
ちょうど登山道が広くなっている場所があったので、これから朝まで人が通ることはさすがにないだろうと、登山道の真ん中で幕営することにした。
11 月下旬ともあって、かなり冷え込んだ。
若干まだ昨日の疲れが残るなか、人のいない静かな道を抜けてバラの段に出た。
ここからは、やや危険な急斜面を下りて安倍峠を目指す。
安倍東山稜の北端、安倍峠に到着。南北に真っ直ぐ伸びる、長い尾根だった。
阿部峠の水源地。この小さな水たまりが、やがて大きな川となって駿河湾に注ぐ。
感慨深い思いだった。
梅ヶ島温泉に下山した。このあたりはちょうど紅葉の最盛期を迎えていた。
ここから車道を通って、黄金の湯を目指す。
梅ヶ島温泉・黄金の湯。
ここで 3 日分の汗を流して、ミニ天丼そば定食を食べて帰路につく。
充実の 3 日間だった。静岡には魅力のある山がたくさんある。まだまだ登りたい。