九州南部は梅雨入りが近づいている。
梅雨が明けるとその先には盛夏が待っており、高い山のない九州はとても登山どころではない気候になっていく。
そうなると、九州南部の山は今週末を逃すとしばらくチャンスがないかもしれない。
こんなことを考えていると、謎の使命感のようなものに駆られ、いざ鹿児島県の大隅半島にある高隈山へ。
周回ルートを取るため、猿ヶ城温泉に駐車。
最初はしばらく舗装路を歩いて白山登山口を目指す。
蜘蛛の巣と闘いながら急登を登っていき、白山に到着した。
木漏れ日のベンチと、垂水方面の景色が素晴らしい。
垂水市街地と錦江湾を一望できるいい場所だった。
白山から先は、密度の高い森をアップダウンを繰り返しながら進む。
横岳は、向こうの景色が見えそうで見えない山。
御岳が見える。あそこは周回ルートからは少し外れたところにあり、今回は通らない。
静かな登山道を一人歩く。
それにしても誰にも出会わない。
日曜日の高隈山で、ここまで孤独な山歩きになるとは思わなかった。
大箆柄岳からの景色。
歩いてきた稜線がすべて見える。
大箆柄岳まで来ればさすがに誰かと会うだろうと思っていたが、結局ここにも誰もいなかった。
林道上にある大箆柄岳登山口よりも下の区間は、九州自然歩道だからと侮るなかれ。
実際にはほとんど使われていないようで、激しい藪と蜘蛛の巣地獄が待っている。
ようやく本城川沿いまで下降したが、ここからの林道歩きもまた試練。
今まさに自然に飲み込まれようとしている道をゆく。
ここを歩き通した先に、ようやく車を停めた猿ヶ城温泉が待っている。
一日分の汗と、大量に浴びた蜘蛛の巣を洗い流して帰路に就いた。
帰り道に車で立ち寄った協和展望所からの桜島。
霞が濃い一日だった。