初めての鈴鹿山脈は、御池岳と藤原岳の周回。小又谷から。
冬の冷たい空気が残る中、高い日差し、福寿草の開花など、この山も着実に春へと季節の歩みを進めていた。
藤原岳の下りなど、なかなか険しい区間もあったが、御池岳の広大なテーブルランドや至るところに広がる見事なカルスト地形に魅了された山歩きとなった。
小又谷の登山口から暗闇を登り、夜明けと同時に御池岳の山頂部に広がる平坦地・テーブルランドに到着した。
御池岳のテーブルランドには、カルスト地形が広がっていた。
カルストといえば、平尾台・秋吉台・四国カルストしか知らなかったので、鈴鹿山脈にも同様の地形があることを知って感動した。
佇む木。強い風になびく。
この朝は冬のような冷たい風が強く吹き付けていた。
御池岳の頂上。標高 1,247m は、鈴鹿山脈の最高峰。
御池岳を過ぎて、明るい冬枯れの尾根道を辿って藤原岳を目指す。
なだらかな地形に、カルストの花崗岩帯と広葉樹の樹林帯が共存する。
藤原岳の頂上部分が見えてきた。
三重県側の主要な登山道から登ってきた登山者が多く合流し、これまでの静かな道とは変化して登山道が賑わっている。
藤原岳山頂。多くの人で賑わっていた。
あとから調べると、福寿草が開花する時期とちょうど重なり、多くの登山者が訪れていたらしい。
たしかに、鮮やかな黄色の花が登山道上に咲いているのを見かけた。
孫太尾根の下り。
とんでもない角度の斜面に、あまりにもよく滑る土。
下から次々と登ってくる登山者をやり過ごしながら、慎重に下っていく。本日の核心部はここだった。
激下りを越え、竜ヶ岳方面への縦走路に差し掛かる場所で、一箇所開けているところがあった。
ここで、目の前に広がる景色を楽しみながら昼食にした。
朝に吹いていた冷たい風はいくぶん弱まり、高く登った太陽に照らされポカポカとしていた。
茨川に沿って下り、入山した小又谷の登山口を目指す。
このあたりに人の気配はない。道もやや不明瞭。
もう少し季節が進めば、渓流釣りを楽しめそうな場所だった。
植林地帯の最後の斜面を登って、小又谷に出る。
夜明け前、暗闇の中を歩いた場所も、すっかり明るくなって違った雰囲気になっていた。