神奈川県の西南の果て、三浦半島へ。
マグロが有名なこの港町で、岩に覆われたダイナミックな海岸地形のど真ん中を歩ける場所があるということで、行ってきた。
荒々しく海に突き出る白い岸壁、風に煽られて激しく打ち付ける波、足場をみつけながら、その間をゆっくりと歩く。
このような場所を何 km にも渡って歩けるのは全国でも珍しいのではないか。充実の歩き旅だった。
三崎漁港エリアでまぐろランチを嗜み、往路は内陸側の舗装路を歩いて剱崎方面を目指す。
写真は宮川港。
三浦は大根の産地。大きな大根畑がいたるところに広がる。
葉の隙間からは、よく育った身が覗き、いままさに収穫のシーズンを迎えていた。
剱崎方面の岩礁のみちは崩落か何かで通れなくなっているようなので、毘沙門天浜から海岸に出る。
ここから、歩いてきた三崎方面に向かって、「三浦・岩礁のみち」をゆっくりと歩いていく。
海岸には、大量のミズクラゲが打ち上がっていた。プルプルしていてかわいい。
いたちごっこかもしれないが、助けられるものから、波打ち際に戻していく。
砂浜のようになっている場所に身をかがめてよく見ると、ひとつひとつが小さな貝殻だった。
岩壁に開いた大きな穴の中に入って外の景色を切り取る。
太陽に向かって、ごつごつした岩礁を歩く。
写真では伝わらないが、すさまじい向かい風が吹き付けていた。
鋭く海に突き出た岩に向かって、風に煽られ勢いよく波が当たってはじける。
青く透き通った海と、白い岩の壁。
人工物が一切見えない区間も続き、別の星に来たかのような気分に浸れる。
地層が縦になって大きく空に向かって突き上がっている。
どのような地殻変動によってこのような姿になるのだろうか。
一年を通して海からの強い風が吹き付けるためか、岩から生えた木々が風下方面にひしゃげた形にされていた。
まるで、森林限界の稜線に生えるハイマツのよう。
港が見える。岩礁のみちの終着点に着いたようだ。
一枚目の写真で、上の道路から見下ろした場所。
素晴らしい場所だった。今まで歩いた中でも一番楽しいといっていいくらいの水平歩道だった。
この日から「関東ふれあいの道」の他の場所にも興味が湧いてきた。
いつもは山ばかりに気が向いてしまうが、これからはこういった「道」を歩くことにも注目してみよう。