梅雨の晴れ間に北八ヶ岳へ。麦草峠を起点に、白駒池・ニュウ・高見石小屋を周回。
最近は静岡でも 39 ℃や 40 ℃を連発するなど記録的な猛暑となっているが、標高 2,400m の森は涼しく快適だった。
今回歩いた行程はほぼ全体にわたって様々な種類の苔が森を深緑に彩っていた。
そして最大の魅力が、高見石小屋の揚げパン。これは想像を超えた美味しさで、このために再訪したいと思うほどの逸品だった。
しっとりとした森の香り、にゅうの絶景、鳥のさえずり、高見石小屋の揚げパンと、まさに五感で楽しむ山行となった。
麦草峠から白駒池までは、歩きやすい水平歩道がのびる。
この時点でもう苔むした森が美しい。
白駒池のほとり、青苔荘。
田舎の古い駄菓子屋のような味のある雰囲気で、親しみやすい感じが気に入った。
こう見えて店内は Wi-Fi が飛んでいたり電子決済が使えたりとハイテクだった。
朝の白駒池。対岸には白駒荘が見える。
この日は風が強く、水面は波が立っていた。
突如として現れる白駒湿原。緑が美しく、歩いていて気持ちがいい。
苔を拡大してみるとひとつひとつが木のようで、密林のミニチュアのようになっていて面白い。
「ニュウ」というピークに向かう。看板が「にゅう」だったり「にう」だったりと表記揺れしていて面白い。
その中でも「にう」がお気に入り。
ニュウの山頂に立つと、いきなり視界が開けて大展望が望める。
天狗岳や硫黄岳といった南に連なる山々が見えたり、遠くには富士山も。
苔とキノコの共演もよく見られた。
この森は小さなキノコが多かった。
中山展望台は北側の景色がよく見える。
縞枯山の山肌の森は文字通り縞模様に枯れた部分があるのがよくわかる。
その北には北横岳や、八ヶ岳最北の蓼科山も見える。
遥か遠くに見える最奥の山並みは北アルプスで、まだ残雪の白が目立つ。
そしてお待ちかねの高見石小屋へ。
ここに立ち寄る目的はひとつしかない....
そう、高見石小屋といえばこの揚げパンのセット。
もちろん期待はしていたが、その期待の上をいく美味しさに驚愕した。
揚げているので外はカリッとしてジューシー、中はふわっとしていてとても軽い口当たり。
2 人で分けたが、1 人で 5 個ずつ食べたいくらいだった。
小屋の中も上がれるようになっていたので少し見せてもらったが、これがまたいい雰囲気。
揚げパンはもちろん、宿泊の際にいただける食事もまた豪華なようで、いつかぜひ泊まりで訪れたい山小屋になった。
高見石小屋を後にして、丸山を経由するルートで麦草峠へ下山していく。
通過点の丸山。いい表情のてるてる坊主に癒される。
おかげさまでとてもよく晴れて最高の登山日和でした。
茶臼山や縞枯山に迎えられて、麦草峠に戻る。
苔の美しい森や絶景の山頂、そして山小屋の名物揚げパンと、三拍子揃った贅沢な山歩きだった。