今年の夏の大一番、北アルプス裏銀座縦走へ。学生時代の友人と共に3名での山行。3日間とも素晴らしい晴天に恵まれながら、青空の下で北アルプスの奥地を歩く旅を楽しんだ。
新穂高の駐車場は埋まっており鍋平から。鏡平経由で双六小屋に向かう。気持ちのよい夏晴れで、日差しが暑い。
鏡平山荘に着くと多くの登山者でにぎわっていた。かき氷にも惹かれたが、ここはカレーライスでエネルギーチャージ。
雲が増えてきたが、雲間から槍ヶ岳が顔を出す神秘的な一瞬をとらえることができた。
双六小屋とカラフルなテントが見えると同時に、その向こうには真正面に端正な山容の鷲羽岳が覗く。
双六小屋から、夕刻の鷲羽岳。
2 日目、夜明けとともに歩き始める。
双六岳に至る平らな道。振り返れば槍ヶ岳と北鎌尾根のシルエット。
少し高い位置からもう一枚。たくさんの登山者が、槍ヶ岳を背に双六岳に向かって歩く。
双六岳頂上。向こう側には黒部五郎岳と薬師岳のなだらかな尾根が広がる。
双六岳から三俣蓮華岳方面、今回の裏銀座縦走路上でもっとも美しい風景だった区間。
双六岳のカール地形と、奥の槍ヶ岳・穂高岳の山並み。これほどの奥地に、このように広大な地形が広がっていることに不思議な印象を覚える。
双六岳の山容。
三俣蓮華岳から下っていくと、鷲羽岳が大きく見えてくる。三俣山荘も。
三俣山荘からの急登を頑張って、鷲羽岳の頂上に到達。延々と続く手強い登りだったが、鷲羽岳頂上からの景色は圧巻。
鷲羽岳のシンボル、鷲羽池と、折り重なる北アルプスの尾根、そして遠くには富士山が顔を出している。
鷲羽岳から水晶岳に向かって歩みを進めていく。ずっと槍ヶ岳を背に、裏銀座の道は延びる。
黒部五郎岳と黒部川源流域。
裏銀座縦走路から見る薬師岳はとにかく山体が大きい。横に並ぶ黒部五郎岳と見比べても、その圧倒的な裾野の広さに驚く。
水晶岳の近くで、ライチョウに出会った。ライチョウに出会えると、山行の満足度がぐんと上がる。
水晶小屋。こじんまりとした小屋だが、抜群のロケーションに立地する裏銀座縦走路の要衝。
水晶小屋に荷物を置いて、身軽にして水晶岳を往復。片道 30 分弱の道のり。頂上直下は急峻な岩場だった。
水晶小屋に戻ってきて、おでん(1,000円)をいただく。やさしい味が、ここまでの道のりで疲れた体に染み渡った。
水晶小屋から、本日の目標である烏帽子小屋に向けてまだまだ長い道のりを進む。白く輝く野口五郎岳が遠い。
野口五郎岳の頂上部分の白い岩肌が露出した部分にだけ太陽の光があたり、その白さが際立つ。
雲に隠れて見えなくなっていた槍ヶ岳が、一瞬だけその姿を現した。穂先以外の稜線は雲に隠れている。
野口五郎岳の頂上付近までくると、視界いっぱいに白い世界が広がる。サングラスや日傘がないと目が開けられないほどまばゆい。
烏帽子小屋に至るまでの道のりで最後のオアシス、野口五郎小屋。ここで、予備の飲料とバッジを購入し、疲労困憊の同行者を労って先へ進む。
夕刻が近づき、人の気配のなくなった稜線を少しずつ進む。
烏帽子岳が見えた。烏帽子小屋までもう少し。
日没直前、烏帽子小屋に到着。しかし、テント場にほとんど空きがなく、野口五郎小屋で空身ピストン中に出会った方々の隣に半ば無理やりテントを張らせていただいた。あそこで出会っていてよかったと心底思った。到着が遅い場合、こういうことがあるので気をつけないといけない。それにしても蚊が異様に多く、何ヶ所も刺されてしまい一夜を過ごすのに苦戦を強いられた。
3 日目最終日、烏帽子小屋をスタートし、この日は烏帽子岳のピークハントはスキップ。早々に下山開始。
標高差約 1,200m のブナ立尾根では、約 100m ごとに番号が振られており 12 番まである。下山しながら、この数字がカウントダウンされていくのを見てモチベーションを上げていった。
ブナ立尾根を下りきって、高瀬ダムの登山口に到着。登山口からタクシー乗り場まで意外にも 1 時間弱歩いたが、七倉ダムに到着するとすぐにそこで温泉に入れるのは最高だった。そこにデポしておいた同行者の車で、登山を開始した新穂高の鍋平に戻って無事に今回の山行を終えた。間違いなく、今年の夏の大一番と言える大満足の山行となった。