秋田駒ヶ岳
暑く長い夏に体が慣れきって四季を忘れかけていると、気がつけば山は秋本番を迎えていた。
というわけで憧れの地・東北、秋田駒ヶ岳へ。妻や会社の仲間と訪れた。
単独の山を歩いているとは思えないような多彩に移り変わる絶景を目の当たりにして、溢れんばかりの興奮をお互いに言葉と表情で共有する。
素晴らしい景色を堪能すること自体はもちろんのこと、こうして仲間と一緒に山を歩くことでしか得られないよろこびを改めてよく感じた1日だった。

盛岡駅からはレンタカー、アルパこまくさに車を置いてバスに乗り換えて八合目へ。
八合目でバスを降りると、目の前にいきなり広がる光景にこの山旅の成功を確信する。

火山の岩肌と紅葉の共演。

巨大な鏡が横たわるように澄んだ湖面の田沢湖。

色づく山肌と、奥に岩手山。

阿弥陀池。
くじゅう連山の御池を彷彿とさせる雰囲気。
奥の山頂が男岳。

木道に沿って腰をかけ、思い思いの時間を過ごす人たち。

男女岳に登る人、下りてくる人。

こんもりとした男女岳。

この男女岳が、秋田駒ヶ岳の最高地点となる。

波打つように穏やかな稜線と、奥に聳えるのが岩手山。この一帯を代表する名山。

男岳に登りながら、女岳を望む。
女岳は秋田駒ヶ岳を構成する山の中でも特に活動的のようで、頂上付近のいたるところから煙が上がっていた。

田沢湖を望む。よく澄んだ青い空が映り込み、湖面がいちだんと青く見える。

そしてたどり着いたムーミン谷。
これこそが秋田駒ヶ岳という、楽園が広がっていた。

まるで海外トレッキングに来ているかのような迫力ある風景に息を呑む。

ムーミン谷を歩き終わってしまうのがもったいなくて、何度も振り返る。

ムーミン谷が終わると、大焼砂という、富士山のような砂地の斜面に変わる。

何度でも振り返る。
上空を漂う千切れ雲によって、山に陰影ができて立体感が際立つ。

窪地をうねるように敷かれた木道の細さが、山のスケールの大きさを表している。

焼森を超えて、なだらかな斜面につけられた道に沿って下山していく。よく晴れていい日だった。

八合目に戻り、今朝も出会ったあの絶景に見送られるようにして、この地を後にした。